めぐり逢うことばたち

短詩・樹花たまには歴史の歳時記 by かぐら川

2006年10月02日

2006年10月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    


過去の日記
最新の日記
全て表示

日記内を検索


お気に入り
めぐり逢うことばたちB-2
めぐり逢うことばたちB
《霜川年譜》などメモ帳
リンク集
東京の賢治
三島霜川メモ
おくのほそ道奇行


さるさるおすすめ
こだわりショッピング
無料日記を借りよう!


日記を編集
パスワード

count

さるさる日記
■2006/10/02 (月) “猫の家”の前を歩く霜川(2)

以下は、『道草』の冒頭です。主人公健三が“千駄木から追分へ出る通りを日に二辺ずつ規則のように往来した”その通りでの思わざる出会いが、つづられています。
「例刻」に規則のように猫の家から学校へ出かけた漱石の日常が、ここにはそのまま述べられていると言ってもよいようです。

“健三が遠い所から帰ってきて駒込の奥に世帯を持ったのは東京を出てから何年目になるだろう。彼は故郷の土を踏む珍しさのうちに一種の淋し味さえ感じた。
 彼の身体には新しく後に見捨てた遠い国の臭いがまだ付着していた。彼はそれを忌んだ。一日も早くその臭いを振るい落とさなければならないと思った。(中略)
彼はこうした気分をもった人に有り勝ちな落ち付きのない態度で、千駄木から追分へ出る通りを日に二辺ずつ規則のように往来した。
 ある日小雨が降った。その時彼は外套も雨具も着けずに、ただ傘を差しただけで、いつもの通りを本郷の方へ例刻に歩いて行った。そうすると車屋の少しさきで思いがけない人にはたりと出会った。その人は根津権現の裏門の坂を上がって、彼と反対に北向きに歩いてきたものと見えて、健三が行く手を何気なく眺めた時、十間位先から既に彼の視線に入ったのである。そうして思わず彼の眼をわきへそらさせたのである。”

自宅前から南に向かう道は(車屋の前を通り)、左の根津権現から上がってくる登り坂の根津裏門坂と十字路で交わっています。
「思いがけない人」は裏門坂を上がってきて、角を曲がり北向きに歩いてきて、「例刻」にここを通る健三を待ち受けていたのです。

☆話題のブログを始めよう!☆
魔法の☆ブログ オートページ かんたんブログJUGEM かわいいブログ ヤプログ!