泥酔論説委員の日経の読み方

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さるさる日記

2010/03/13 (土) 20:02:33 高速道政策の迷走はひどい

13日朝刊2面【総合・政治】社説2 
 高速道路政策が迷走している。政府は12日、通行料金の割引に使っている財源を道路建設に回す法改正を閣議決定した。「土日で上限1000円」など、高速道路の料金は現在、曜日や時間帯、車種ごとに様々な割引制度がある。自民党政権時代に、高騰した原油対策や景気対策として打ち出した。2008年度から段階的に始め、10年間で3兆円を投入している。今回その財源の一部を、つながっていない高速道路の建設や2車線の路線の4車線化に使えるようにする。建設費にどの程度回すかは決まっていないが、当然、値上げになる。政府は社会実験として6月ごろから、全国の約2割の高速道路を無料にすると発表したばかりだ。その一方で、値上げしてまで道路整備にお金を使うとはどういうことだろう。通行料は無料にして、必要な道路は効果を見極めたうえで税金でつくるという民主党のマニフェスト(政権公約)と明らかに矛盾する。今回の法改正は民主党が昨年末に政府に提出した重点要望に沿ったものだ。道路建設を求める地方を意識した選挙対策だろう。

まあ、民主党の政策で真っ当なものを出せというのは、八百屋で魚を売ってくれと言ってるのと同じですよ。
ご案内のとおり、評論家の山崎養世氏が唱えた高速無料化論に民主党が飛びついたのですが、(1)財政再建策(2)経済再生策(3)過疎・過密の緩和策の三点が効用だと彼は説いています。
無料化すれば建設財源がなくなるので、「無駄な高速」が作られることを阻止できる、すなわち財政再建ができる、という建付けだったのですね。
以前も指摘したように彼の考え方にはいろいろ問題があるのですが、これはこれで一つの筋が通っています。
ところが、民主党が本当に政権を獲るとこう言ったロジックはすっかり忘れ去られ、「無料化」を形骸化させる一方で、国費でもって高速建設を進めるという選挙対策。

山崎氏が唱えた、財政再建策にも経済再生策にも過疎・過密の緩和策にもなってない、まさに民主党は「高速無料化」を換骨奪胎したに過ぎないのです。
民主党という政党は本当に芯となるものがなく、その場その場の辻褄あわせだけで生きている人たちなんですね。
政権交代してますます政治に閉塞感があると言われていますけど、その原因の一つは民主党のこう言った鵺的な体質にあるのだと思います。

2010/03/12 (金) 08:32:12 多すぎる空港の「選択と集中」を進めよ

12日朝刊2面【総合・政治】
 国内で98番目の空港となる茨城空港が11日、開港した。関係者は「羽田、成田に続く首都圏の第3空港」と意気込むが、就航の決まった定期路線は神戸とソウルの2路線だけで、苦戦は免れそうにない。全国には茨城に限らず、需要見通しが甘かった空港が目立つ。国土交通省によると、開港前などに需要予測を出した75空港のうち、直近の国内線利用実績が予測を上回ったのは8空港にとどまった。空港を建設したいがために、あえて高めの予測数字をつくった。そう批判されても仕方がない。「多すぎる空港」はそこに就航する航空会社にも重荷となる。日本航空の経営が行き詰まったのも、収益性の低い地方路線の開設・維持を政官から迫られたことが一因だ。

需要予測が甘すぎる、空港建設ありきの予測だ、こういう批判は何も論じていないのと同じです。
予測と実績とに乖離があること、これは別に不思議じゃありません。
本当に着目しなければならないのは、予測と実績との乖離の中にこそ問題点が潜んでおり、そこに解決策もあるということです。
予測が間違っていた、責任をそこに転嫁するのは問題点を見過ごすだけであり、なぜ予測に達しなかったのか、予測に達するためにはどうしたら良いかという思考を邪魔する以外の何者でもありません。

航空機の利点とは何か、二地点間を最短最速で移動できる輸送手段であると定義できます。
その地点が陸上であれ海上であれ、山中であれ街中であれ、長さ3000メートルで幅60メートルほどのアスファルト舗装さえあれば、世界中どこにでも行けるし、世界中どこからも来ることができる、これが他の輸送手段では獲得できない空港の画期的な所です。
道路とか橋とかトンネルとか線路だとか多くの労力とコストが全く必要ない、海だろうが陸だろうが山だろうが何処でも通過できる、そう考えると航空機ほど柔軟性に富んだ輸送手段はなく、その離発着拠点となる空港ぐらい建設にしろ維持にしろ安上がりな施設はありません。
こんなに無駄な空港があるのかと悲観するよりも、日本には98もの外に開いた玄関があるんだ、これほど有効なリソースを放っておくのはもったない、こういう発想こそ必要でしょう。
予測と実績との乖離は何が原因であるのか、リソースのパフォーマンスを極大化するにはどうしたら良いのか、規制で雁字搦めにしている航空行政にあるのではないか、ここを突き詰めないと真の解決策は見出せませんよ。

2010/03/11 (木) 09:00:17 民公接近着々と 子ども手当法案、修正で合意

11日朝刊2面【総合・政治】
 民主、公明両党は10日、鳩山政権が今国会の最重要法案として位置付ける子ども手当支給法案の修正で合意した。児童養護施設などに入所し、支給対象になっていない子どもへの支援を検討することなどを付則に盛り込む。公明党の修正要求を受け入れたもので、同党は子ども手当法案に賛成する見通しだ。参院選後を展望しながら民公が着々と連携を進めている。

昨年11月20日の拙日記で、民公連立の可能性について考えてみたわけですが、それが実現化する時が近づいてきたといことです。
先月26日には、小沢一郎幹事長と輿石東参院議員会長が秋谷栄之助前会長ら創価学会首脳と密会していたという報道や、小沢氏と新進党を一緒に立ち上げた市川雄一元書記長を公明党は常任顧問として復帰させたとか、民主、公明のお互いが積極的にアプローチし合っています。
国会においても鳩山首相や平野官房長官の答弁は公明党に相当配慮しており、端から見ていても「婚約」が成立したような姿です。
一方、社民党は完全に「捨てられた」感が漂ってるし、国民新党は家庭内別居のような状況で、これが自民党政権なら即刻「内閣不一致」としてメディアから激しい批判に晒されていたはずです。
もともと民主党と公明党は政治のベクトルが似ており、社民党や国民新党と比べても連立政権では親和性が高いのです。
まして、小沢氏とはかつて一心同体だったのですから、数が欲しい民主党と与党に返り咲きたい公明党の思惑が一致するのは当然でしょう。

しかし、民主党の支持者にとっては理解し難いものがあると思いますよ。
自公連立において創価学会との結びつきを激しく非難し、だから自民党はダメなんだという理屈で民主党の支持を訴えていた方々は立場がありません。
ところが政治は数なり、数はカネなりという信念の人、小沢一郎氏が民主党の実質的な支配者である以上、民公連立の可能性は限りなく高いと考えるのが、ごくごく普通なんですね。
自公連立批判と言うのは、固定票を持つ公明党を引っ剥がすことが目的であり、引っ剥がしたあとは民主党に取り込もうというだけのプロパガンダだったということです。

2010/03/10 (水) 20:38:35 外交「密約」の幅を広げた有識者報告

10日朝刊2面朝刊【総合・政治】社説1 
 いわゆる密約問題を調べてきた外務省の有識者委員会(座長・北岡伸一東大教授)の報告書は、外交における「密約」の幅広い実態を考えさせる。作業は戦後外交史の再点検であり、政権交代がなければ、こうした調査はできなかったろう。報告書は、密約の定義から始まる。それによれば、2国間の場合、両国間の合意あるいは了解であって公表されている合意や了解と異なる重要な内容を持つものとされる。重要な内容とは公表された合意、了解に追加する形で、2国間で権利や義務が生じるものとされる。

要するに、合意文書があれば「狭義の密約」、文書がなくても暗黙の合意や了解があれば「広義の密約」なんだそうです。
さて、今回の調査では以下の4点を「密約」として採り上げていました。
(1)1960年の日米安保条約改定時の核持ち込み
(2)安保改定時の朝鮮有事の際の戦闘作戦行動
(3)69年の沖縄返還交渉時の有事の際の核持ち込みをめぐる佐藤・ニクソン合意
(4)沖縄返還時の原状回復補償費の肩代わり
社説にもあるように報告書では、(1)は「広義の密約」、(2)は「狭義の密約」、(3)は密約とはいえない、(4)は「広義の密約」があったと判断できるとありますが、「密約問題」などと大見得を切ったわりにはショボさ感が漂っています。

「密約」「密約」と大騒ぎしていたのは、「非核三原則」を掲げながら政府は米軍の核持込を容認していたんじゃないか、それを後の内閣も追認していたにも関わらず「密約」なぞないと主張し続けてきたんじゃないか、こういう構図であったと思います。
ところが調べてみたら、本当の密約と言えるのは朝鮮有事の際に米軍は日本から直接出撃できるという、今となってみたら何が問題なのかさっぱり分からない「お約束」のみなんですね。
肝心の核と「密約」との関連は、日米同盟という現実と「非核三原則」という虚構との間を埋めるための日米間の解釈論だと以前も日記で書いたまんまであり、それ以上でもそれ以下でもなかったことがこの調査でも明らかになりました。
今朝の朝日新聞によれば、非核三原則の提唱者である佐藤栄作氏自身が、その後「『持ち込ませず』は誤りであったと反省している」と悔やんでいたそうですが、保革伯仲とは言えども政治家の安易なスローガンの後始末を日米の外交当局がどう処理したかがこの問題の核心なんです。

2010/03/09 (火) 22:07:08 民主、議員の政策関与で新組織 「小沢主導」体制残す

9日朝刊2面【総合・政治】
 民主党は8日の役員会で、所属議員が政策を議論する場として「議員政策研究会」を新設するとともに、参院選に向けてマニフェスト(政権公約)を改定する新組織を発足させることを決めた。政府の役職に就いていない議員から出ていた党の政策調査会の復活要望への代替案だが、小沢一郎幹事長が主導する体制に変わりはない。政調復活派はひとまず、様子見の構えだ。議員政策研は国会の常任委員会に対応する形で設け、民主党議員なら誰でも出席できる。各省の説明、関係団体などからの意見聴取を通じて政策を提案する。副大臣主催の各省政策会議が「政府から事後説明を受ける場」(中堅)になり、議員の出席率が下がるなど、形骸化が進んだため、改善策とする。

「政府と与党とは一体である」というスローガンの下、党の政策立案機能を廃止したのが小沢氏です。
その理由は、自民党のように政調があると、それに所属する議員が「族議員」と化し、内閣や役所に影響を与えて利権化するというものでです。
政策はあくまでも政府が立案するものであり、党は政府に従うだけだというのが小沢氏が唱えた「建前」なんですね。
要するにこれだと、政府に入れなかった与党議員はひたすら国会で政府案に賛成するだけの要員、つまり頭数だけ揃えればいいって話です。
地元に帰ればいろいろな陳情を受けなければならない立場、まして与党となれば有権者の期待が嫌が上でも高まるわけですが、民主党における「ヒラ議員」は内閣や役所にアクセスすることすらできず、まして政策も立案できないという野党議員並の待遇だと言えましょう。
これじゃ何のために議員になったんだ、民主党「ヒラ議員」先生らのお怒りは心頭です。

彼らの不満の根源は、この制度であっても「幹事長室」という名で、政府に強い影響力を行使した小沢氏への不公平感です。
特に民主党のプロパー議員にとって、自由党から途中合流しただけの小沢氏が幹事長というだけで全ての権限を掌握している、これじゃ「一人族議員」じゃないかということです。
いや、これが小沢氏の本当の目的であり、それを今更大騒ぎするのも頭が鈍いのかなと思います。
小沢氏にしてみれば、自分以外の議員は全員バカだし、お前らは数合わせに過ぎないんだよ、って強い不信感があります。
従って、バカを満足させる程度のガス抜きはやるけど、権力の中枢には決して触らせない、これが彼の基本です。
小沢氏が健在である以上、この路線が変わることはないでしょうね。

2010/03/08 (月) 20:18:12 さまよう賃貸「更新料」 徴収の是非、高裁判決割れる

8日朝刊39面【社会】
 賃貸住宅の契約更新時に支払う「更新料」は法的に有効か、無効か――。大阪高裁で昨年、借り主が更新料の返還を求めた民事訴訟で正反対の2つの判決が言い渡され、家主らに衝撃が走った。両訴訟とも上告中で、最高裁の判断次第では、ほかの家主まで返還を求められる可能性があり、更新料契約を見直す動きが広がっている。

そもそも「更新料」とは何か、民法や商法において貸し手と借り手はイーブンであることが原則ですが、賃貸住宅の基本法である借地借家法では借り手の保護が優先されています。
その根源を辿ると、夫が戦地に赴く家族を保護しようという国策的な意味があったことはあまり知られていません。
戦前の都市部では借家とか借地が多く、夫が戦死したら残った家族が家を追われるような事態を避けるため、借り手保護が法的に定められたのです。
原則を外した借り手保護のギャップを埋めるのは何か、そこは金銭でもって補償するしかないというのが「更新料」の発端です。
要するに法的には借り手有利なのだから、その穴埋めとして「更新料」を払いますよ、というルールで貸主と借主の理解を長年得ていたと言えましょう。

関西の事例だと、確かに貸主の暴利的な面が否めません。
しかし、原告が出してきたのは消費者保護法なんですね。
ご案内のように消費者保護法というのは、この事例で言えば貸主と借主との情報の非対称性によって借主に不利な条件で契約させられたということです。
情報がこれだけ普及している現代において、借主ほど情報を得ているのに対し、貸主ぐらい安閑と構えているのも事実でしょう。
貸主のサボりがケシカランと非難するのは結構ですが、であれば情報の非対称を根拠とした消費者保護法の適用は如何なものかという話となります。

結局、法と現実との乖離を埋めるのは金銭的代償でしかなく、法的に貸し手と借り手のどっちが有利だって所にこの話は尽きると思うのですね。

2010/03/07 (日) 22:10:24 首相と官房長官、普天間巡り呼吸合わず

7日朝刊2面【総合・政治】
 鳩山由紀夫首相が米軍普天間基地移設問題を5月末までに解決させるとの決意を繰り返すなか、首相と平野博文官房長官のちぐはぐな発言が3月に入って相次いでいる。この問題の責任者である平野氏が首相に逐一、状況を知らせず、自らの裁量で一定の地ならしを進めようとしていることも一因とみられる。政府・与党の検討委員会について、平野氏は3日の記者会見で協議を打ち切る考えを表明。首相は同日夜に「これからも機能させていくべきだ」と真っ向から否定し、協議継続を求める社民党への配慮をみせた。3月中の移設先の政府案をまとめる意向を示した4日の首相発言に関しては、平野氏が5日の記者会見で「政府案になりうるベース案」と微修正。あくまでたたき台との認識を示した。

「交渉のキーマンが誰なのか、誰の言葉を信じればよいのか、そもそも問題解決能力がこの政権にはあるのか、ビジネスマン出身のルース大使の常識を以ってしても計れないでしょう」、と先日書きましたが、今日の記事はそれが事実であることを裏付けています。
「いちいち私が外で会う人について首相に報告していない」、ルース大使と会談したことも首相側の問い合わせを受けての事後報告だったそうですし、沖縄県の仲井真弘多知事との会談でも平野氏が「(移設先は)ベターになるかもしれない」と言ったのに対し、鳩山首相は「ベターではなく、私どもはベストを探す」と言ってみたりと無茶苦茶です。
そもそも、普天間問題を総選挙で言い出したのが鳩山氏、そしてオバマ大統領に「トラスト・ミー」と言ったのも鳩山氏、当初、岡田外相と北澤防衛相だった交渉責任者を平野氏に一任したのも鳩山氏、その平野氏は首相と報告・連絡・相談せずアメリカや沖縄と交渉しているのです。
こうした困難なネゴシエーションの場で、これは失敗の法則どおりですよ。

これじゃオバマ政権と言えども、鳩山政権の足元を完全に見ています。
彼らは話をまとめる能力に著しく欠けているし、トップがデシジョンできないので混乱しまくっている、だいたい衆院であれだけ多数を握ってるのに少数政党に振り回されている、と。
であれば、アメリカが妥協する必要なんて一つもありません。
普天間基地に固定化しても何も問題がない、海兵隊も普天間と同等の能力がなければ代替案の意味がないと考えていましょう。
ちゃぶ台をひっくり返したのは鳩山政権なのであって、その後始末をする責任は鳩山政権にあるんですから。

2010/03/06 (土) 09:04:41 中国は8%成長で世界に貢献できるか

6日朝刊2面【総合・政治】
 中国の首相が向こう1年間の施政方針を演説する「政府活動報告」は米大統領が議会に報告する一般教書演説と同様にテレビ中継されるが、自国民だけでなく、世界から注目を集める時代になった。「今年度の国内総生産(GDP)の成長率を8%程度にする」温家宝首相は5日開幕した全国人民代表大会での政府活動報告で、2010年度(1〜12月)の経済成長目標を昨年と同じ8%程度とすることを正式に打ち出した。目標を達成すれば、中国は今年、名目のGDPで日本を抜き、米国に次ぐ世界第2の経済大国になる公算が大きい。

「日本は戦後、中間層を肥大化させることに成功しましたが、その背後には、累進課税の導入や安価な公団住宅の供給、国家主導による義務教育の普及など、市場経済を前提にした社会の平準化をめざした諸政策がありました。皮肉なことに、一連の構造改革で袋叩きにあった政策こそ、現在の中国が必要としているものです」、これは園田茂人・早稲田大学教授の『不平等国家 中国』(中公新書)からの一節です。
更に、園田教授はこう続けています。
「私は、中国の階層研究者との意見交換から、彼らがいかに日本の高度経済成長期に学ぼうとしているか、痛感することが多々あります。成長と均衡の両立、これこそ、中国が求める理想的な社会の姿であり、その実現のために、日本の戦後の経験は大いに役立つと思います」

なるほど、現在の中共政府が目指しているのは60年代の日本なのである、この説明には納得します。
「一億総中流」と呼ばれ、日本中のどこを切っても金太郎飴みたいに同じ顔がでてくる、特色がないと言われた時代です。
しかし一方で、中間層が肥大化したことにより、格差とか不公平とかをあまり意識することがなくなったのも事実です。

自由民主主義のわが国の「平等性」を共産主義国が手本にしようということ自体、いかに日本の社会・政治システムが究極に達していたかの証左ですが、そんな「平等性」では個人の能力が発揮できない、努力しても結果が平等なら努力する必要がないじゃないか、「モーレツからビューティフル」という70年代のフレーズはすでに中国において顕著となっています。
日本の戦後経済も急速でしたが、現在の中国はまさに「巨神兵」と同じで、共産主義という政治理念と経済成長のスピードがあまりに乖離し過ぎているのです。
「巨神兵」は成長を急ぎすぎて腐ってしまいます。

2010/03/05 (金) 10:18:56 平野長官も「トラスト・ミー」 米大使に、5月決着巡り

5日朝刊3面【総合】
 平野博文官房長官が2日夜のルース駐日米大使との会談で、普天間問題の決着期限を5月末とする政府方針に関して「トラスト・ミー(私を信じて)」と伝えていたことが4日、分かった。昨年11月の日米首脳会談で鳩山由紀夫首相がオバマ米大統領に使ったのと同じフレーズ。米側が「現行案での年内決着」と受け止め、首相への不信感につながったいわく付きの言葉だ。大使は何も応えなかったという。

「トラスト・ミー」、早くも今年の流行語大賞の最有力候補ですが、もし大賞を獲れば「政権交代」に続いて鳩山由紀夫氏は二年連続の栄冠に輝きます。
年末の授賞式に鳩山氏がどんな立場になっているのかは定かでありませんけど、あの人のことですから、嬉々として夫人と一緒に檀上にいるのでしょうね。
冗談はともかく、時事通信によればルース大使とのやり取りはこうであったと平野長官は明かしています。

大使「(移設先について)具体的なことを言ってください。どこへも漏らさないからわたしを信じてください」
長官「ゼロベースで検討中だが、5月末までに決めます。トラスト・ミー」

日米同盟がどうなるかが問われている場で、身体を張ったジョークが言える平野氏に脱帽ですよ。
絶望的な墜落の最中にジョークを飛ばしているパイロットみたいなもので、この胆力には驚くばかりです。
ま、大使に受けなかったことだけが残念ですが。

先日、陸上自衛隊第6師団第44普通科連隊の中沢剛連隊長が日米合同訓練に際し、「同盟というものは外交や政治的な美辞麗句で維持されるものではなく、ましてや『信頼してくれ』などという言葉だけで維持されるものではない」と訓示したことに対し、鳩山首相への揶揄だ、シビリアン・コントロールを舐めている、自衛隊の分際でケシカランってので防衛省は連隊長を文書による注意処分とします。
連隊長として憤懣やるかたなかったのでしょう、しかし彼の赫々たるキャリアに鳩山内閣は傷をつけたわけで、「王様は裸だ」と言えば処分されるというのがこの政権の実体です。

交渉のキーマンが誰なのか、誰の言葉を信じればよいのか、そもそも問題解決能力がこの政権にはあるのか、ビジネスマン出身のルース大使の常識を以ってしても計れないでしょう。
まるでバカと話をしているようなもので、これで「トラスト・ミー」なんですから、誰だってまともな交渉なんてできませんよ。

2010/03/04 (木) 20:49:33 G8、イラン制裁強化探る ロシア軟化姿勢

4日朝刊6面【国際1】ワシントン=弟子丸幸子
 カナダで29日に開幕する主要8カ国(G8)外相会合で、議長国カナダはイランへの制裁強化を巡る合意を目指す方向で検討に入った。国連の新制裁決議を巡る調整が難航した場合に備え、G8の枠組みで制裁の強化を目指す。過去3回の対イラン制裁決議に慎重だったロシアが軟化姿勢を示し始めており、月末にかけてG8の調整が本格化する見込みだ。G8外相会合はカナダのキャノン外相が議長を務め、首都オタワに隣接するケベック州ガティノーで29〜30日に開く。カナダ政府によると、イラン核問題を巡る国際交渉の窓口役である欧州連合(EU)からも代表者が参加する予定だ。

イランの核開発問題が、大きく動く気配があります。
状況として、イランがウラン濃縮を強行する一方で、先日も書いたように北朝鮮とのネットワークが揺るぎないものになったこと、それにイランと通じている中国によって国連安保理が無力化していることへの欧米諸国の焦りがあります。
それに対し、親イスラエルのカナダがG8を利用しようという面白い作戦に出ます。
この背景には、国際原子力機関(IAEA)の事務局長がエジプト人のエルバラダイ氏から天野之弥氏に交代したことが挙げられましょう。
アラブの核開発には何かと甘かったエルバラダイ氏に対し、外務省で核と軍縮のエキスパートだった天野氏は就任早々からイランの姿勢を強く批判しています。
3日のIAEA理事会でも、欧米諸国からイランへの批判が相次ぎ、天野氏の存在が窺い知れます。

地政学的にイランに宥和的であったロシアが、制裁も仕方なしと傾いたのは、この流れに抗することが得策でないと考えたからでしょう。
このあたりは、いかにも現実主義者のロシア人らしいところです。
さて、問題なのは日本です。
国内問題どころか、首相や幹事長という我が国のツートップ自身が丸焼け状態で、外交とか戦略とかを考える余地も時間も能力もない人たちが政権を握っているわけです。
安保理は日本に関係ないと釈明できても、今度のG8でイラン制裁が討議された時、日本は逃れる術がありません。
イランからの原油も大事だ、しかしG8で制裁に異議を唱えることもできない、何も喋らず大人しくしてよう、鳩山政権らしい対応が見られましょう。
しかし、この問題は北朝鮮に直結している以上、何もコミットしないのは自分で自分の首を絞めているのと同じなんですよ。

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